
消防署からの是正指導への対応(改善や計画の準備)は進んでいますか? 立入検査結果通知書の内容を理解し、指摘された箇所の改善が完了された方、あるいはまだ計画段階でこれから対応を進める方、様々な状況かと思います。
是正指導への対応において、その結果を消防署へ正確に報告することは、次に必ず行うべき大切なステップです。
岡山市では、この報告のために「改修結果(計画)報告書」という書類を提出する必要があります。(「違反是正報告書」という一般的な名称で呼ばれることもあります。)
この様式は、是正が完了した場合の報告と、まだ計画段階の場合の報告、その両方に使える書式です。
この「改修結果(計画)報告書」、いざ書こうとすると、どこに何を書けば良いのか迷ったり、「是正が完了した時はどう書くの?」「計画段階の場合は?」と、自分の状況に合わせて適切に記載できているか不安になったりすることが少なくありません。
特に、消防署に「きちんと伝わる」報告書を作成するには、いくつかのポイントがあります。
ですが、ご安心ください。
この記事では、岡山市の「改修結果(計画)報告書」の様式に沿って、是正が完了した場合と計画段階の場合、それぞれの具体的な書き方を、記入例を交えながら分かりやすく解説します。さらに、作成した報告書の正しい提出手順もお伝えします。
私は長年消防業務に携わり、消防署側で実際に多くの改修結果報告書を受理・確認してきました。是正完了の報告、計画の報告、それぞれについて「どのような報告書ならスムーズに受理されるか」「消防署が確認するポイントはどこか」を熟知しています。
その経験に基づいた、受理されやすい報告書作成のための実践的なアドバイスを盛り込みます。
この記事を最後まで読んでいただければ、あなたの状況に合わせて「改修結果(計画)報告書」を正確に作成・提出する自信がつき、是正対応の最終ステップを適切に完了させることができるはずです。
岡山市の是正報告書「改修結果(計画)報告書」とは?
是正指導への対応を終えた後、消防署へ報告するために岡山市で提出が必要となるのが、「改修結果(計画)報告書」という書類です。(様式第6号)
この書類は、あなたが立入検査結果通知書で指摘された事項について、「全て改善が完了しました」という結果を報告する場合と、「改善に時間がかかるため、〇〇月〇日までに完了する計画です」という、今後の計画を報告する場合、そのどちらの場合でも使用する様式です。
消防署は、この報告書によってあなたの対応状況を確認し、是正指導が適切に実施されているか把握します。
つまり、この報告書は、あなたが指摘された不備をきちんと対応したことを消防署に正確に伝え、記録してもらうための、非常に重要な書類なのです。
提出が必要なタイミングは、立入検査結果通知書に記載されている提出期限までです。
期限を過ぎないよう、計画的に作成・提出する必要があります。
この様式は、岡山市のウェブサイトからダウンロードできます。
もし見つけられない場合は、管轄の消防署で入手することも可能です。


このセクションで、「改修結果(計画)報告書」がどのような目的の書類で、いつ、どこから入手できるのかを理解できたかと思います。
次に、この書類の具体的な書き方について見ていきましょう。
【記入例付き】「改修結果(計画)報告書」の書き方



「改修結果(計画)報告書」が是正の報告に使う書類だと分かったら、次は実際に記入してみましょう。様式を見ながら、どこに何を、どのように書けば良いのかを具体的に解説します。
この報告書の目的は、消防署にあなたの対応状況を正確に伝えることです。
これを意識して記入を進めましょう。
報告書作成日と提出先を記入する
報告書の一番上部に記載する項目です。
- 報告書作成日:
- 様式上部に「令和〇年〇月〇日」と記載欄がありますね。ここに、報告書を作成した日付(消防署に提出する日付、またはそれに近い日付)を記入します。
- 提出先:
- 報告書を提出する消防署長名を記入します。立入検査結果通知書に記載されている、検査を行った管轄消防署の消防署長名(例:「岡山市〇消防署長」様)を確認して正確に記入してください。
- 様式上部に「岡山市〇消防署長 様」と記載欄があります。(ここの抜けはかなり多いです。すぐに修正できるので問題はありませんが気にしておいてください。)
報告者情報(あなたの情報)を記入する
報告を行う事業所や代表者の情報を記入する欄です。
- 住所、名称、代表者、電話番号:
- あなたの事業所の正式な住所、名称(会社名や店舗名など)、報告を行う代表者氏名、そして消防署からの問い合わせがあった場合に日中連絡のつく電話番号を正確に記入します。
- 様式右側にそれぞれ記入欄があります。
参照する通知書情報を記入する
どの立入検査結果通知書に対する報告なのかを明確にする項目です。
- 立入検査日:
- 報告書中段に「令和〇年〇月〇日 の立入検査における立入検査結果通知書について下記のとおり報告します。」という文章がありますね。この「令和〇年〇月〇日」の箇所に、今回の是正指導を受けた元となる立入検査の実施日を記入します。これは、立入検査結果通知書に記載されている日付です。
立入検査対象物情報を記入する
是正指導を受けた建物(事業所)の情報です。
- 名称、所在地:
- 「立入検査 対象物」の欄に、立入検査を受けた建物(事業所)の正式名称と所在地を記入します。これも、立入検査結果通知書に記載されている通りに正確に転記してください。
指摘事項と改修結果(予定)を記載する(最も重要!)
このテーブル(表)形式の部分が、あなたが「何が指摘されて、どう対応したか(あるいはする予定か)」を報告する、最も重要な項目です。
立入検査結果通知書の「指摘事項」欄と、あなたの対応状況を照らし合わせながら記入します。
- 通知書記載の番号:
- 立入検査結果通知書の「指摘事項」リストに振られている番号(例:「1」「2」など)を、そのまま転記します。
- 様式テーブルの左端に記入欄があります。
- 指摘事項:
- 立入検査結果通知書の「指摘事項」欄に記載されている内容を、正確に転記します。 ここを勝手に省略したり、内容を変えたりしないように注意してください。指摘内容は、消防署が何を改善してほしいかの根幹ですので、省略せずに正確に伝える必要があります。
- 様式テーブル中央に記入欄があります。
- 改修結果(予定):
- ここが、あなたが今回の報告で最も伝えたい内容です。
是正が完了したのか、それともこれから計画を進めるのか、あなたの状況に合わせて具体的に記入します。- ① 改修が「完了」している場合:
- 具体的に「いつ(完了日)、どのような是正を行った結果、法令基準を満たした状態になったか」を、誰が見ても分かるように記入します。
(例:「令和〇年〇日、指摘箇所の消火器を法令に基づき容易に使用できる場所へ移設し、是正完了。」「〇〇設備を交換し、正常に作動することを確認。令和〇年〇月〇日完了。」) - 「是正完了」した旨を明確に記載します。
- 具体的に「いつ(完了日)、どのような是正を行った結果、法令基準を満たした状態になったか」を、誰が見ても分かるように記入します。
- ② 改修がまだ「計画段階」の場合:
- 「どのような是正を行う計画で、いつ頃完了予定か」を具体的に記入します。
例えば、工事業者を選定中であることや、改修工事の具体的な予定期間などです。 - 具体的な「完了予定期日」を必ず明記してください。
(例:「〇〇設置のため、現在複数の工事業者に見積もり依頼中。令和〇年〇月末までに設置完了予定。」「防火管理者選任届及び消防計画作成届について、令和〇年〇月〇日までに提出予定。」) - 「計画段階であること」「完了予定期日」を明確に記載します。
- 「どのような是正を行う計画で、いつ頃完了予定か」を具体的に記入します。
- ① 改修が「完了」している場合:
- ここが、あなたが今回の報告で最も伝えたい内容です。



改修の計画をして、実際は改修していないケースもあります。消防署は追跡調査を行うので、誤魔化すことはできないのできちんとした対応をしてください。


添付書類について
是正内容が分かる写真や、改修計画の詳細が分かる図面などを報告書に添付する必要がある場合が多いです。
立入検査結果通知書に添付書類について指示がないか確認するか、不明な場合は事前に消防署に確認することをお勧めします。
作成した報告書の提出手順
「改修結果(計画)報告書」が無事作成できたら、次に必要なのは、これを管轄の消防署へ提出することです。
正しく提出して、是正対応の一連の流れを完了させましょう。
提出先を確認する
- 報告書の提出先は、基本的に立入検査を実施した消防署となります。
- 具体的には、立入検査結果通知書に記載されている「連絡先」の該当する消防署、または改修結果(計画)報告書の様式下部に記載されている「提出先」の住所と部署名(多くの場合、予防課や予防係)を確認してください。
提出方法を選ぶ
報告書の提出方法にはいくつかの選択肢があります。
それぞれの特徴を知り、あなたに合った方法を選びましょう。
持参(窓口提出)
- 消防署の窓口に報告書を直接持参する方法です。
- メリット: その場で書類に不備がないか担当者に簡単に確認してもらえる可能性があり、最も確実に提出できたことを確認できます。
- デメリット: 消防署まで行く手間がかかります。
郵送
- 消防署宛に報告書を郵送する方法です。
- メリット: 消防署に行く時間が取れない場合に便利です。
- デメリット: 消防署に届いたか、書類に不備がないかなどが、その場では分かりません。
簡易書留など追跡可能な方法を利用し、控えを残しておくと安心です。
不安な場合は、郵送後に消防署に電話で受理確認することをお勧めします。
FAX
- 消防署に報告書をFAXで送信する方法です。
- メリット: 手軽に提出できます。
- デメリット: 送信できたかの確認は必要ですが、書類が正しく届き、受理されたかの確認は電話で行うのが確実です。
図や写真が多い報告書には不向きな場合があります。
電子申請
- 自治体によっては、オンラインの電子申請システムを利用して提出できる場合があります。
- メリット: 24時間いつでも提出可能など、利便性が高いです。
- デメリット: 事前の利用者登録や、システム操作に慣れが必要な場合があります。岡山市で可能か、また具体的な方法は事前に確認が必要です。
必要書類を揃える
提出する報告書本体の他に、添付が必要な書類がないか確認しましょう。
提出期限を厳守する
- 「改修結果(計画)報告書」は、立入検査結果通知書に記載されている提出期限までに、消防署に提出を完了させてください。
- この提出期限を過ぎてしまうと、法的リスクや、消防署からの信頼失墜といった問題に繋がる可能性があります。



もし提出期限内の完了・提出が物理的に難しいことが分かった場合は、期限が来る前に、管轄の消防署に連絡し、相談・調整を行うようにしてください。無断で期限を過ぎるのが最も悪い対応です。事前に相談すれば、状況によっては提出期限の延長などは認められるケースが多いです。
報告書の作成だけでなく、正確な提出手続きを完了させて、はじめて一連の是正対応が終わります。提出方法と必要書類、そして期限をしっかりと確認して、適切に提出しましょう。
正確でスムーズな報告書提出のために
「改修結果(計画)報告書」を作成し、提出先や提出方法も確認しました。
これで報告の準備は万端ですね。
しかし、最後に一つ重要なことがあります。それは、作成した報告書が「正確」であり、そして消防署での確認が「スムーズ」に進むように提出する、ということです。
なぜなら、報告書の内容に不備があったり、消防署が状況を正確に把握できなかったりすると、消防署から内容確認の連絡が入ったり、追加で書類の提出を求められたり、最悪の場合、報告書が受理されずに是正対応が完了と見なされない、といったことになりかねないからです。これは、手続きの遅延や、余計な手間、そして消防署との関係性にも影響します。
正確でスムーズな報告書提出のために専門家を頼るメリット
報告書の正確性を高め、提出から受理までのプロセスをスムーズに進めるためには、消防法令や報告書様式に習熟した専門家である行政書士のサポートが非常に有効です。
消防署が「分かりやすい」「適切だ」と判断する報告書を作成できる
行政書士は、消防署がどのような情報を、どのような形式で求めているかを理解しています。
特に私たちのように消防法令専門の行政書士は、消防署が「これなら内容がすぐに把握できる」「適切に対応しているな」と判断する報告書を作成できます。
これにより、書類不備による差し戻しや、内容確認のための連絡が入るリスクを最小限に抑えます。
消防署との確認や調整をスムーズに行う
報告書の内容について消防署から問い合わせがあった場合や、提出前に内容について確認したい場合など、専門家があなたに代わって消防署と適切にコミュニケーションを取ります。
無駄な時間や労力を省き、是正対応を確実に完了
専門家に任せることで、報告書の作成方法を調べたり、記入に悩んだり、提出方法に迷ったり、あるいは提出後の消防署からの問い合わせに対応したりする時間と労力を大幅に削減できます。そして何より、是正対応の最終ステップである「報告」を正確かつ確実に完了させることができます。これは、あなたが安心して本業に集中するために非常に重要です。



私が消防署で報告書を受理する側だった経験から、スムーズに進むケース、そうでないケースを多く見てきました。正確で分かりやすい報告書と、必要に応じた消防署との丁寧なやり取りが、いかに大切かを痛感しています。私たち専門家を頼っていただくことで、その「スムーズに進む」状態を、あなたの報告書で実現できます。
まとめ
この記事では、消防署からの是正指導に対する報告として岡山市で提出する「改修結果(計画)報告書」について、その目的から、是正が完了した場合と計画段階の場合、それぞれの具体的な書き方、そして提出手順に至るまでを詳しく解説しました。
「改修結果(計画)報告書」は、あなたの是正対応の状況を消防署に正確に伝えるための、非常に重要な書類です。これを正確に作成し、提出期限までに提出することが、一連の是正対応を適切に完了させ、リスクを回避するために不可欠です。
特に、消防署に「きちんと伝わる」、つまりスムーズに受理される報告書を作成することが、その後の無用なやり取りを減らし、手続きを円滑に進めるための鍵となります。
報告書作成・提出に不安があるなら、一人で悩まず専門家にご相談ください
記事を読んで、「改修結果(計画)報告書」の書き方や提出手順は理解できたかもしれません。しかし、
- 指摘内容が複雑で、報告書にどう反映すれば良いか迷う
- 自分の是正対応が法令基準を満たしているか不安だ(特に完了報告の場合)
- 計画報告で、完了予定期日の設定に悩む
- 提出書類(写真など)の準備に自信がない
- 消防署とのやり取りが不安だ
といった、報告書作成・提出に関する様々な不安や疑問が残っている方もいらっしゃるかもしれません。
正確かつスムーズな報告書の作成・提出は、是正対応を完了させるために非常に重要です。少しでも不安がある場合は、一人で悩んだり、間違った内容で提出してしまったりする前に、消防法令に特化した経験豊富な専門家にご相談ください。
消防署への報告書作成・提出はお任せください
「改修結果(計画)報告書」を正確に作成し、適切に提出して、是正対応を確実に完了させましょう。書類作成や提出手続きにご不安があるなら、私たち専門家がサポートいたします。
長年消防業務に携わり、岡山市消防局長もつとめ、多くの改修結果報告書を受理・確認してきた経験を持つ弊所なら、岡山市の様式に基づいた、消防署に「きちんと伝わる」報告書作成をサポートし、提出手続きもスムーズに進めます。
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