【ここが重要】通知書で必ず確認すべき項目と読み解き方

立ち入り検査などの後、消防職員から立入検査結果通知書を受け取られた事業者様へ。

この書類を手にされ、「一体何が書かれているのだろう?」「具体的に、どう対応すれば良いのだろうか?」と、その内容や対応方法の把握に、現在難しさを感じておられるかもしれません。

専門的な法令用語や独特の書式も多く、普段こうした書類に馴染みがない方にとっては、決して簡単なことではありません。
そして、通知書の内容を正確に理解しないまま対応を進めると、思わぬ落とし穴や手戻りが発生するリスクも伴います。

「この通知書、どうすれば適切に理解できるのだろうか?」

ご安心ください。この記事では、消防署からの是正指導通知書を、【図解】を使いながら、重要なポイントに絞って分かりやすく解説します。
通知書の中で「ここだけは絶対に確認すべき」という重要な項目とその読み解き方を、具体的にお伝えします。

私は、長年消防業務に携わり、多くの立入検査結果通知書を作成・交付してきました。「この通知書を受け取った方が、どこでつまずきやすいか」という点を熟知しています。その経験に基づいた視点から、通知書の裏側にある意図まで含めてご説明します。

この記事を最後まで読んでいただければ、通知書の内容が理解でき、是正指導への対応の第一歩を安心して踏み出せるはずです。

目次

消防署から届く「是正指導通知書」とは?

岡山で事業をされているあなたなら、「立入検査結果通知書」という書類を、消防署の立ち入り検査の際に受け取られたことがあるかもしれません。

この「立入検査結果通知書」は、消防職員があなたの建物に立ち入り検査を行い、消防法や関連法令に適合していない部分(不備)が見つかった場合に、「ここを改善してください」という内容を公式に伝えるための書類です。地域によっては「是正指導書」といった名称で交付されることもありますが、岡山ではこの「立入検査結果通知書」が一般的です。

その見た目は、官公庁から交付される書類らしい、少し硬い印象の書式であることが一般的です。消防署名入りの用紙に、指摘された不備の箇所や内容がリスト形式でいくつか記載されています。

この通知書は、決してあなたが消防法に違反していたことに対する罰金などの「罰」そのものを通知する書類ではありません。
 あくまで、建物を利用する全ての方の安全を確保するため、見つかった不備を改善し、消防法に適合させてください、という「改善のお願い」や「指示」であることをご理解いただくことが重要です。

ただし、この「お願い」には通常、対応すべき期限が設けられています。


【ここが重要】通知書で必ず確認すべき項目と読み解き方

立入検査結果通知書を受け取ったら、「どこから読めばいいの?」「この専門用語は何?」と困惑されるかもしれません。ですが、通知書の中で特にあなたが対応を始める上で、必ず確認し、その意味を理解しておくべき重要な項目は限られています。

ここでは、岡山市の通知書 を参考に、その重要な項目を絞って、それぞれが何を意味し、どのように読み解けば良いのかを分かりやすく解説します。   

確認項目1:文書の名称と交付日

通知書の冒頭、上部に記載されています 。   

  • 文書の名称: 「立入検査結果通知書」と記載されていることを確認します 。これが、検査に基づいた正式な指摘であること示しています。   
  • 交付日: 通知書が発行された日付です 。この日付から、後述する是正の提出期限までのカウントが始まります。   

ここを確認することで、あなたが手にしている書類がどのような性質のものか、いつ時点の情報かが分かります。

確認項目2:指摘事項のリスト(ここが是正の核心です)

通知書の本体部分に、「検査対象」「是正事項」「【根拠条文】」といった見出しのテーブル(表)形式で記載されているのが、この「指摘事項」の項目です 。
あなたが具体的に「何を改善しなければならないか」がここに書かれています。   

このリストの「是正事項」欄には、通常、以下の内容が含まれています。

  • 所在地/位置: 建物のどの場所(例:〇階△△付近、敷地 など)に不備があるかを示しています。   
  • 指摘内容: 最も重要な項目です。 どのような状態が法令に適合していないのか、具体的に書かれています 。

指摘内容を正確に理解することが、適切な是正への第一歩です。
専門用語が使われていることもありますが、落ち着いて、具体的にどのような状況を指しているのかを読み解こうとしてみましょう。

確認項目3:根拠となる法令等

指摘事項の「是正事項」欄の説明の中に、「消防法第〇条」「〇〇令第△条」「〇〇規則第□条」といった形で記載されている項目です 。   

  • 根拠法令: なぜその指摘がなされているのか、その法的な根拠となる条文を示しています 。通知書の末尾には、法令の略称一覧も記載されています 。   
  • なぜ重要か: この根拠法令の条文を見れば、消防法が求める具体的な基準(例:消火器は防火対象物や防護する部分から歩行距離20m以内に設置、など)を知ることができます。
    ご自身で条文を調べるのは難しいかもしれませんが、専門家はここを見て、具体的な是正基準を判断します。

安全のために根拠法令をもとに指導は行われています。

確認項目4:是正の提出期限

通知書の「立入検査を実施した結果は下記のとおりです」という文章の中に、「またこの是正事項についての改修結果 (計画)書を 令和〇年〇月〇〇日までに下記消防機関へ提出してください。」といった形で記載されています 。   

  • 提出期限: 指摘された事項の是正を完了させ、その結果を消防署に報告【または改修結果(計画)書を提出】しなければならない期日です 。   
  • なぜ重要か: この期限を過ぎてしまうと、見出し2で解説したような、法的リスクや信頼失墜といった様々なリスクが高まります。 まずは、この期限を最優先で確認し、カレンダーなどに記録しておきましょう。

工事をしないといけないこともあるので、必ずこの日までに改修を終わらせろということではなく、すぐに改修できるものでなければ、指摘事項に対してどのように取り組むかの報告になります。

確認項目5:問い合わせ先

通知書の末尾、「連絡先」という見出しの下に、通知書に関する問い合わせを受け付ける消防署の担当部署名や電話番号などが記載されています 。
岡山市の場合は、複数の消防署がリストアップされており、該当する署にチェックが入っています 。   

通知書で確認すべき、特に重要な項目は以上の5つです。これらの項目を一つずつ確認することで、通知書の内容を正確に理解し、是正対応のスタートラインに立つことができます。

通知書を理解した後の「次の一歩」

立入検査結果通知書で「ここだけは絶対に確認すべき」という重要な項目とその読み解き方を解説しました。

これで、通知書の内容を理解し、是正対応のスタートラインに立つことができたはずです。
しかし、通知書の内容を理解することは、あくまで第一歩です。
重要なのは、指摘された不備を実際に是正し、消防署に報告するという、その後の対応プロセスです。

「通知書の見方は分かったけれど、具体的にどうやって直せばいい?」「報告書ってどう書くの?」「期限までに間に合うかな…」など、次に様々な疑問や不安が出てくるかもしれません。

消防署からの是正指導への「正しい対応方法」の全体像や、具体的なステップについては、前回の記事で詳しく解説しています。ぜひ、こちらも合わせてご確認ください。

ご覧いただいたように、是正対応には、指摘内容の正確な把握、是正計画の立案、必要な工事や改善の実施、そして消防署への正式な報告といったステップが必要です。
特に指摘内容が複雑な場合や、提出期限が短い場合は、これらのステップをすべてご自身だけで、正確かつ迅速に進めるのは容易ではないかもしれません。

そんな時、「一人で抱え込まず、専門家を頼る」という選択肢が非常に有効になります。

まとめ

この記事では、消防署から交付される「立入検査結果通知書」について、その基本的な見方や、必ず確認すべき重要な項目を解説しました。図解のアイデアもご紹介しましたが、特に重要な「指摘事項のリスト」などの項目は、その内容を正確に読み解くことが是正対応の第一歩です。

通知書は一見難しく感じるかもしれませんが、ここで解説したポイントを押さえれば、何が、どこが、なぜ指摘されているのか、そしていつまでに対応が必要なのかといった、対応を始める上で不可欠な情報が把握できます。
通知書を正しく理解することは、放置によるリスクを回避するためにも、非常に重要です。

通知書を理解したら、次のステップへ。もし不安なら専門家にご相談ください。

通知書の内容を理解できたことは素晴らしい第一歩です。
しかし、問題はここからです。
指摘内容を実際に是正し、消防署へ報告するという、具体的な対応ステップを進める必要があります。

  • 指摘内容の具体的な是正方法が分からない
  • 是正に必要な工事や手続きが複雑そうだ
  • 報告書の書き方が分からない、提出書類に漏れがないか不安だ
  • 提出期限が迫っていて、焦っている
  • 消防署とのやり取りに自信がない

このように、通知書を理解しても、その後の対応に様々な不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。一人で全てを抱え込もうとせず、消防法令の専門家を頼るという選択肢をぜひご検討ください。

是正指導に関するお悩みは、私たち専門家にご相談ください

「立入検査結果通知書の内容は分かったけれど、具体的にどう動けば良いか不安だ…」そんな時は、ぜひ消防法令に特化した経験豊富なプロにご相談ください。

私、東山行政書士事務所の東山が、あなたの通知書の内容を拝見し、最適な解決への道筋を一緒に見つけます。

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